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NY Times (英字新聞)で日本・世界を読む

「50年前のクリスマスイブ 地球が発見される」ニューヨーク・タイムズ(英字新聞)で英語を勉強する

NY Times Scienceから。50年前のクリスマス・イブにアポロ8号が人間を乗せた初めての月の軌道を回ったとの記事です。地球が月の地平線を昇る姿を人間が肉眼で初めて見た瞬間だったとの事です。

 

アポロ8号の搭乗員によって、月面の地平線を越えたところに青い地球の姿が映し出された写真が撮られ、環境保護運動で象徴として使われるようになったとの事です。

 

搭乗員のアンダース少佐が月面をカメラで撮影する任務を遂行している時、青い地球が現れ、皆が感激した際も、ロボットは月面撮影を休まず続けていたとの事です。

 

搭乗員は、任務を一旦停止して地球の姿をカメラに収めるべきか一瞬議論したとの事です。ボーマン司令官が “おい、写真なんか撮っちゃだめだよ。計画に無いからな。”と言い(冗談で)、一斉に皆で地球の写真を撮ったとの事です。

 

1968年は、マーティン・ルーサー・キングJr.牧師とロバート・ケネディー大統領候補の暗殺事件があり、ベトナム戦争が泥沼化し、米国内でも学生デモが激しくなっていた年だとのことです。

 

後に搭乗員のアンダース少佐によると、アポロ8号は月を調査する目的で送られたが、代わりに人類は地球を発見した、と述べたとの事です。

 

Apollo 8’s Earthrise: The Shot Seen Round the World

アポロ8号の地球()の出: 世界中で見られたショット

 

This is where we live. In space. On a marble fortified against bottomless blackness by a shell of air and color, fragile and miraculous as a soap bubble.

ここが我々の住む場所である。宇宙の中に。そして、底なしの真っ黒の世界に対して、一つのビー玉が空気と色の殻に守られている。シャボン玉のように壊れやすくて奇跡のようなものだ。

 

In 1968, we Earthlings knew that already, sort of. But that abstract notion became visceral on Christmas Eve of that year. While scouting landing spots on the moon, the astronauts of Apollo 8 — Frank Borman, William A. Anders and James A. Lovell, Jr. — spied the shiny blue Earth rising over the ash-colored lunar mountains like a cosmic smiley face. That image, transmitted from space, went on to capture the imagination of the world: Earthrise.

1968年には、我々地球人はそれなりに知っていた。しかし、今まで漠然としてた知識がその年のクリスマス・イブにはっきりと体で理解できるものになった。将来の計画の月面着陸の場所を探っている最中、アポロ8号の搭乗員、フランク・ボーマン、ウィリアム・A・アンダース、ジェームズ・A・ラベルJrは、灰色の月面の山脈を越えたところに、まるで宇宙のニコちゃんマークのような青く光った地球が昇るのを見つけた。この宇宙から届けられた映像が、世界の想像を虜にした。地球(の日)の出である。

 

NY Times (https://nyti.ms/2Rl42pg) では、外から地球を見た時の宇宙物理学者カール・セーガン氏の言葉を紹介しています。 ”地球は太陽光に吊り下げられたチリの一片” でしかなく、人類は、"この宇宙で、特権を与えられた地位にいるという幻想" を捨て、 “優しさと慈悲をもってお互いに接し、故郷として知る唯一の、この青白い点を守り大切にする義務を、改めて考えさせられる。” (“underscores our responsibility to deal more kindly and compassionately with one another and to preserve and cherish that pale blue dot, the only home we’ve ever known.”)

 

記事では、アポロからのクリスマス・イブ中継で、月の裏側で連絡が途絶える前に、搭乗員が聖書の創世記を読み上げて、“神はその乾いた土地を地球と呼んだ。… そしてそれは”良い“ものとした。(And God called the dry land Earth. … And God saw that it was good.)” と読み、地球の指令センターで皆が涙したとしています。

 

通信が途切れる直前にボーマン司令官が “アポロ8号の搭乗員から皆さんへ、お休みなさい。グッド・ラック。メリー・クリスマス。 ”良い“地球に住む皆さん全員へ、神の祝福を。(And from the crew of Apollo 8,  … good night, good luck, a Merry Christmas — and God bless all of you, all of you on the good Earth.)” という録音が紹介されています。

 

語彙・語法・類語・文法・説明

Apollo 8  アポロ8号。前年の死亡事故や計画の遅れがあったり、ソ連が宇宙計画で先を進む中、急遽打ち上げられたと紹介している。翌年1969年にアポロ11号が月面着陸成功。

Earthrise 地球の(日の)出。 sunrise 日の出 moonrise 月の出 sunset 日没

The shot (that was) seen round the world 世界で見られた写真 round = around

Space 宇宙   outer space 遥か宇宙  the universe 世界 この世 

Marble ビー玉 大理石

Fortify ~  城壁などで強固にする against ~  に対して 食品にビタミン等の栄養を足す 

Bottomless blackness 底の無い黒さ

Shell (貝やカニなどの)殻 薬莢

Fragile 脆い 割れやすい

Miraculous 奇跡的な miraculously 奇跡的に    (being) fragile and miraculous

Soap bubble シャボン玉

Earthling  SF等での地球人 ユーモア的

Sort of なんとなく ある意味で = kind of

Abstract 抽象的な concrete 具体的な 

Notion 概念 = concept / idea

Visceral  はらわたにくる 体で感じる 

On Christmas Eve クリスマス・イブに

Scout ~  を調査する = examine / inspect / investigate  scout for ~ を捜索する  

Landing spot 着陸地点  翌年1969年にアポロ11号が月面着陸成功。

Astronaut 宇宙飛行士 astronomer 天文学者  astronomy 天文学 cosmology 宇宙学

Spy ~ を見つける  Spy on ~  について諜報活動をする

Shiny blue Earth 青く光った地球

Rise over ~  の上を昇る  sink under の下へ沈む 

Ash-colored 灰の色のついた

Lunar 月の

Cosmic 宇宙の  the cosmos 宇宙 the universe 宇宙 世界

Smiley face スマイルフェイス  frowny face 困り顔絵文字

Image 映像 Imagination 想像

Transmit ~  を送る 光や電波を出す  transmitter 発信器 

Go on 結果としてなる  し続ける へ取り組む

Capture ~  を捉える 罠にかける = catch / trap

 

引用:2018/12/26 NY Times Science. 2018/12/24 Apollo 8’s Earthrise: The Shot Seen Round the World から抜粋。

nyti.ms